2025年4月10日
🟧 1. はじめに|株式会社北廊が運営するMUKU工房が目指すDXとは
MUKU工房では、100年後も愛される「本物の家具」を届けるため、伝統的な木工技術と最先端のデジタル技術を融合した取り組みを進めています。職人の技とデジタルの力で、より多くの人に家具の魅力と物語を届けることが、私たちのDXの核心です。
MUKU工房 ECサイトは こちら
🟧 2. DX推進体制
戦略を効果的に進めるための体制

- DX推進体制の構築
当社では、代表直下にDX責任者(CDO)を配置し、DX推進タスクフォースを組織しています。EC・物流・マーケティング・カスタマーサポート(CS)といった各部門が連携し、全社横断的にDXの取り組みを推進しています。また、Google広告の当社担当アシスタントや外部のデジタルパートナーとも協力し、最新の知見や外部リソースを活用しながら、実践的なDX体制を構築しています。
デジタル人材育成
当社は、DX戦略の中核として「デジタル人材の育成・内部確保」を重要な経営課題と位置付け、全社的なリテラシー向上と専門人材の計画的育成を並行して推進している。これにより、持続的なDX推進体制の確立を目指す。
主な取組内容
- 全社向け基礎教育の実施
3か月ごとに全社合同のオンラインミーティングを開催し、「デジタル活用講座」を実施。
内容例:スパムメール判別、メールヘッダーの確認方法、端末セキュリティチェック、画像・HTML・CSS等の基礎リテラシー教育。 - 中堅幹部層の専門スキル強化
Google広告支援チームとの定例会議を通じ、以下の実践的スキルを段階的に育成。
・デジタルマーケティング戦略立案
・自然検索キーワード分析(日本語・英語・中国語対応)
・サーチコンソール等を活用したデータ解析 - 外部連携による実務型人材育成
外部のサーバー管理事業者と連携し、サーバー稼働状況やWAF(Web Application Firewall)の設定確認を定期的に実施。実務を通じて、社内におけるインフラ・セキュリティ分野のデジタル人材を育成。
これらの取り組みにより、現場から経営層まで組織全体にわたるDX人材の計画的な育成と内部確保を実現している。、現場から経営層までを含めたDX人材の計画的な育成・確保を実現している。
🟧 3. 主なDX施策
■ EC強化
- PHP(Laravel)をベースにしたUI/UXの再設計
- 多言語化対応(英語・中国語【繁体字・簡体字】)
- 顧客単価向上のためのレコメンド機能と分析導入
■ 製造・物流のデジタル化
- 在庫管理の自動化・自動発注
- 配送手配のシステム連携(ヤマト・アートセッティングデリバリーとのAPI連携)
■ デジタルマーケティング
- デジタルマーケティングの強化とデータ活用
当社では、EC事業開始当初よりGoogle Analyticsを活用し、アクセス数だけでなく、国別・デバイス別の動向、エンゲージメント指標、直帰率・回遊率・コンバージョン率、参照元ごとの流入分析など、膨大なデータを日常的に可視化・分析し、サイト改善に反映しています。加えて、Google Search Consoleを用いたページ表示速度やSEOキーワードのトレンド分析を継続的に行い、検索順位向上に取り組んでいます。
広告運用においては、Google広告サポートチームとの定例ミーティングを通じて最新トレンドを取り入れ、ROAS(広告投資対効果)の最大化を目指した施策を推進しています。
さらに、家具や工芸品の背景にあるストーリーを伝えることも重要視し、CMS(コンテンツマネジメント)を活用したストーリーブランディングに注力。各産地と最終顧客の接点を最大化することで、ブランド価値の向上を図っています。
また、PDCAサイクルの一環として、顧客レビューの定量的分析を基にLTV(顧客生涯価値)向上施策を実施。属人的な対応に依存しない仕組みづくりを進め、高品質で安定したサービス提供を実現しています。
最新の情報処理技術を活用するための環境整備の具体的方策

2022年度に基幹システムをAWSクラウド環境へ完全移行し、拡張性と安定性を確保した。現在は、SEO強化およびストーリーブランディング対応を目的としたCMS導入の準備を進めており、2025年下期の実装を予定している。
また、越境EC対応機能については既に完成しており世界32か国(2025年3月期)からの注文実績がある、さらなる機能強化を進める。さらに、AIレコメンド機能の設計にも着手しており、段階的に実装することで、データ活用と顧客体験向上のためのDX基盤を整備中である。
🟧 4. これからの展望
今後は、バーチャルショールームや、購入前に家具を部屋にAR配置できる機能の導入など、「見る・選ぶ・買う」のすべてをDXで支える環境構築を目指しています。
🟧 5. 最後に|伝統と革新を、未来へ
株式会社北廊が運営するMUKU工房のDXは、単なる効率化ではなく「物語の伝達」です。人の手のぬくもりと、デジタルの力を掛け合わせ、日本の家具を世界中に届けていきます。

株式会社北廊 代表取締役 永原大介